最終更新日:2024年8月8日 物流トラックコスト通販梱包送料配送費運搬費仕組み
送料はどうやって決められているの?物流コストの仕組みとは

送料はどうやって決められているの?物流コストの仕組みとは
私たちの暮らしに欠かせない物流業務。
通販などでよく目にする「送料」や「配送費」といった金額は何を基準に定められているのか。
気になる方も多いことと思います。
商品はトラックでの配送のみならず、手配・梱包・積み込みなど数多くの人の手を経由して手元に届きます。
その物流業務の各工程には、必ず何かしらのコストが発生しています。
今回は、そんな”物流コスト”のメカニズムに迫ってみたいと思います。
ぜひ本記事の内容を参考に、物流コストの裏側に触れてみて下さい!
物流コストの内訳とは

物流コストは、大きく分けて以下の4つの要素で構成されています。
- 輸送費
- 荷役費
- 保管費
- 人件費
一つずつ、順番に解説していきます。
輸送費
輸送費は、商品を発送する際に必要な運賃のことです。
チャーター車両費用や、宅配便の配送料、自社トラックのガソリン代や減価償却費などが該当します。
商品は工場から消費者に直通で届くわけではなく、中継地に運ばれた上で梱包、発送されるケースもあります。
物流コストとしてはとてもイメージしやすく、可視化しやすい部分です。
コスト全体の中でも高い割合を占めるため、ここをいかに削減できるかが企業の売上に直結しているといっても過言ではありません。
また、ユーザーに商品を配送するための物流を構築する初期コストもかかるので、事前にどのような準備が必要なのか十分に検討し、費用対効果を検証することが大切です。
荷役費
荷役費は、荷物の出し入れをするときの入出庫や運搬、積付け、仕分け、ピッキングなどの「荷役作業」にかかる費用を指します。
作業量によって時間や費用も変動するため、効率化を図ることで削減が可能な部分だとも言えます。
ロケーション管理によるピッキング導線の効率化や、WMSを導入して倉庫業務を最適化するのも効果的です。
※WMS(倉庫管理システム):入庫、出庫、在庫管理などをデジタル化し、物流品質や生産性の向上につながるシステム
また、企業規模や荷量によってはシステム導入の費用対効果が見合わない場合もあります。
そういった場合は、業務を外部企業にアウトソーシングするという手段もあります。
保管費
保管費とは、商品を取引先に納品するまでの間、倉庫など一定の場所で品質や数量の保持をする際の費用を指します。
主に商品を置く倉庫の賃貸費用や、自社倉庫の管理費、火災保険などが保管費に入ります。
自社で倉庫を用意する場合と外部倉庫を契約する場合では、コストの差が大きく出る傾向にあります。
コスト削減を達成するためには、在庫の保管方法が最適化されているかを見直したり、委託先の倉庫との契約方法を最適なものに変更したりする方法が有効です。
人件費
管理費は物流システムや受発注システムなどの導入・運用費など、人件費は物流担当者や作業員、物流会社の営業担当などの給与が該当します。
システムの導入にはまとまった予算が必要になるため、事前に費用対効果を十分に検証する必要があります。
自社で物流スタッフを採用すると、繁忙期/閑散期で人員を柔軟に配置しにくい側面もあることから、外注することでコストを抑える方法も考えられます。
物流コストが高騰している理由

近年では、ニュース等で物流コストの高騰が話題になっています。
その原因としては、ドライバー不足と2024年問題が挙げられます。
物流業界はドライバーの不足という大きな問題を抱えており、日本では労働力の高齢化が進み、新たなドライバーを確保することが難しいです。
この問題は「2024年問題」として語られることが多く、物流業界の労働力不足がピークを迎えるとされています。
新型コロナウイルスのパンデミックによって世界的な経済活動に深刻な影響が及ぼされました。
物流業界もその影響を大きく受け、需要の変動や様々な規制により物流の効率が著しく悪化しています。
これにより、運送業者はコスト増加を強いられ、結果的に物流コスト全体が高騰したといえます。
さらに、物流業界自体も労働力の確保や効率化への投資など、新たな課題に直面しています。
課題への対応が遅れるとサービスの質が低下し、物流コストの上昇を招く要因になります。
トラック輸送費の高騰が目立っていますが、主な原因はドライバーの労働力不足や燃料費上昇です。
その他にも、ドライバー不足の深刻化によるトラック輸送費の上昇や、一部の運送業者に需要が偏ることで運送料金が高騰しています。
トラック輸送費は今後も上昇傾向にあると予想され、対策を講じることが重要となります。
物流コストを削減する方法とは

拠点を集約させる
物流コストの削減に効果的なのは、コストの約6割を占めていると言われる輸送費を削減することですが、大方の企業は料金交渉をして「これ以上は下げられない」というレベルまでコストカットしているでしょう。
料金を変えずに輸送費を削減するためには、積載率を上げる必要があります。
拠点を集約させることで荷物をまとめて運送でき、輸送費を削減できます。
また、拠点を集約すれば人件費や保管費用も抑えやすくなり、物流コストの削減につながるでしょう。
倉庫内での作業をルール化し、適宜見直す
作業をルール化していくと、作業効率を上げることができます。
たとえば「トラックの都合がつかず、営業担当者が顧客に直接商品を持って行かなければ間に合わない」といったケースも出てきかねません。
営業車で配送した場合も本来は物流作業に該当しますが、営業担当者による配送費用のため「営業費用」に分類され、物流コストが低く見えるなどのリスクがあります。
大雑把な運用で正しい数値がわからなくなると、改善しようがありません。
そこで求められるのが「作業時のルール」です。
ルール化は単純化でもあり、現状を把握しやすく、効率を図ることができます。
また、適宜ルールを見直すことも大切です。日々の改善の積み重ねが大きなコストカットにつながります。
倉庫内での作業全体を見直し、できるだけ無駄が生まれにくいルールを作りましょう。
動線やレイアウトを確認するだけでも、二重作業をやめる、導線を短くするといった改善策が見つかるはずです。
物流管理システムの導入
物流管理では、物の数・質を維持する正確な管理が求められます。
人が管理する場合は一定の人的リソースが必要になるうえに、人為的ミスを防がなければなりませんが、システムを導入すればコストカット・効率化・管理の強化が同時に実現できます。
物流管理システムは多くあり、自動仕分け機、ピッキング・カート、シュリンク包装機などの専門機器も豊富に揃っています。
たとえば、効率的に商品を集められるピッキング・カートには、指定された商品をカートに載せると商品の重量を自動測定するシステムや、カートに入っている商品が正しいか自動的に判別するシステムが搭載されているものもあり、作業効率が大幅に上がります。
デジタル・ピッキング・システム(DPS)も効率化に貢献します。
商品が保管されている棚に電光掲示板とボタンが付いていて、ピッキングする商品が保管されている棚の電光掲示板にピッキングすべき個数が自動表示され、ボタンがピッキングの終了を知らせ、ボタンを押せば表示が消えて次にピッキングすべき場所にピッキング個数が表示されます。
このように、物流管理システムはペーパーレス化や作業効率化を実現し、物流コストを削減します。
業務自体をアウトソーシング(外部委託)する
物流業務をアウトソーシングすると、何にどれくらいの費用がかかっているかすぐに把握ができ、随時見直しを図りやすくなります。
請求が発生するため、物流コストを可視化できるのです。
また、物流業務を物流の専門会社に任せることで、メーカーは商品の開発や製造、営業に注力しやすくなります。
倉庫の維持管理費をカットできるのもアウトソーシングの大きなメリットです。
自社で倉庫の維持管理をすると、繁忙期に在庫をストックしていたスペースが閑散期には無駄になるなど、余分な費用が発生します。
物流をアウトソーシングすれば倉庫、トラック、物流担当者などの資産が不要になり、利益を出しやすくなるでしょう。
すでに自社で物流に関するヒトやモノを保有している場合も、手放すことで現金を得たり、キャッシュフローを向上させることも可能です。
まとめ
今回は「物流コスト」の内訳・仕組み・削減方法などをまとめてご紹介しました。
昨今は運送費の高騰も問題になっていますが、各企業が創意工夫を凝らしてコストカットに努めているのも現状です。
これまで送料の仕組みについて疑問に思われていた方は、ぜひ本記事の内容を参考にして下さい!
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